冬うらら~猫と起爆スイッチ~
●
あれ?
また、食い違った。
ネクタイを、毎朝彼女は締めている。
帰ってきた時は、ほんとにぶら下げてる状態になっているが、それは仕事が終わったからだろうと思っていた。
ネクタイを締めるだけで不機嫌になる―― そういう光景は見たこともなかった
そんな…。
「ああ、まったくもう…気まぐれなのは、相変わらずねぇ」
ハルコは、一生懸命考えていたようだが、最後はきまぐれで片づけてしまった。
そうよね、きまぐれ…よね。
ハルコが分からない答えを、彼女に分かるはずもない。
言われる通りの形で納得した。
でも、彼の背広姿は好きなので―― 嬉しい気まぐれである。
カイトの背広は、毎朝毎夕見ていた。
着こなすことに、まったく興味を持っていないのは分かるけれども、あの姿は『働いてる男』という匂いをバンバン伝えてきて、メイをどきどきさせるのだ。
カイトは、そんなに背も高くはないし、体格がいいワケでもない。
しかし、あの姿のカイトは、頼りがいがありそうで、男っぽい骨組みを感じさせられた。
「何があったのかしら…」
ハルコは、ちらっと彼女を見てくるが、それに対する答えを持っているハズがない。
「さぁ…? 分かりません」
メイも首を傾げた。
カイトと背広。
カイトとネクタイ。
xとyをうまく計算すれば、ちゃんとした翻訳が出来そうなのに―― 何か、条件が足りないような気がした。
あれ?
また、食い違った。
ネクタイを、毎朝彼女は締めている。
帰ってきた時は、ほんとにぶら下げてる状態になっているが、それは仕事が終わったからだろうと思っていた。
ネクタイを締めるだけで不機嫌になる―― そういう光景は見たこともなかった
そんな…。
「ああ、まったくもう…気まぐれなのは、相変わらずねぇ」
ハルコは、一生懸命考えていたようだが、最後はきまぐれで片づけてしまった。
そうよね、きまぐれ…よね。
ハルコが分からない答えを、彼女に分かるはずもない。
言われる通りの形で納得した。
でも、彼の背広姿は好きなので―― 嬉しい気まぐれである。
カイトの背広は、毎朝毎夕見ていた。
着こなすことに、まったく興味を持っていないのは分かるけれども、あの姿は『働いてる男』という匂いをバンバン伝えてきて、メイをどきどきさせるのだ。
カイトは、そんなに背も高くはないし、体格がいいワケでもない。
しかし、あの姿のカイトは、頼りがいがありそうで、男っぽい骨組みを感じさせられた。
「何があったのかしら…」
ハルコは、ちらっと彼女を見てくるが、それに対する答えを持っているハズがない。
「さぁ…? 分かりません」
メイも首を傾げた。
カイトと背広。
カイトとネクタイ。
xとyをうまく計算すれば、ちゃんとした翻訳が出来そうなのに―― 何か、条件が足りないような気がした。