冬うらら~猫と起爆スイッチ~
12/14 Tue.
●128
ふぅ。
夕食のスパゲティをゆでながら、メイはため息をついた。
昨日ハルコが来た時に、パーティの詳しい内容を聞いたのだ。
盛大なものかと心配していたのだが、彼女が言うにはホームパーティ程度だというのである。
形式張ったものは何もないので、服もそんなに気にしなくていいらしい。
となると、また服のことで悩むのだ。
『あら、それなら一緒に買い物に行きましょうか?』
素敵なドレスを選んであげるわ―― そう言われた時、反射的にメイは遠慮してしまった。
彼女の口から『ドレス』という単語が出た時点で、既に大きな危険な予感があったのである。
ワンピースとかじゃいけないのぉ!?
彼女は、心の中で悲鳴をあげた。
ドレスなんて言葉を聞くと、シンデレラだの、社交界だのそういうビジュアルが、頭をよぎるのである。
結局。
自分一人で、買いに行かなければならなくなりそうだった。
今日明日は、ハルコは休みである。
病院の検診とか、色々あるそうで。
ちょっとだけ、見て来ようかなぁ。
買うかどうかは、後で決めてもいいのだ。
最悪の場合は、まだ袖を通していないあのワンピースがある。
あれだって、ホームパーティには堂々と着ていけるくらい可愛い。
一度だけ着てみて鏡の前に立って見た。
心がふわふわになりそうだったので、慌ててそれを脱いで地上に戻って来くらいだった。
女は、甘いものにも弱いけれども、綺麗な服にも弱いのだ。
そして、メイは心に決めた。
明日、買い物のついでに覗いてみよう、と。
ただし、お金を持っていたら買ってしまうかもしれないので、置いて行こう、と。
自分の心の弱さは前述の通りなので、じっくり考えるためにも、買えるだけのお金を持っていてはいけないのだ。
働いていた頃も、いまと同じように欲しい服に苦しめられたことがあった。
その時も財布を置き去りにして、我慢しきったのだ。
ふぅ。
夕食のスパゲティをゆでながら、メイはため息をついた。
昨日ハルコが来た時に、パーティの詳しい内容を聞いたのだ。
盛大なものかと心配していたのだが、彼女が言うにはホームパーティ程度だというのである。
形式張ったものは何もないので、服もそんなに気にしなくていいらしい。
となると、また服のことで悩むのだ。
『あら、それなら一緒に買い物に行きましょうか?』
素敵なドレスを選んであげるわ―― そう言われた時、反射的にメイは遠慮してしまった。
彼女の口から『ドレス』という単語が出た時点で、既に大きな危険な予感があったのである。
ワンピースとかじゃいけないのぉ!?
彼女は、心の中で悲鳴をあげた。
ドレスなんて言葉を聞くと、シンデレラだの、社交界だのそういうビジュアルが、頭をよぎるのである。
結局。
自分一人で、買いに行かなければならなくなりそうだった。
今日明日は、ハルコは休みである。
病院の検診とか、色々あるそうで。
ちょっとだけ、見て来ようかなぁ。
買うかどうかは、後で決めてもいいのだ。
最悪の場合は、まだ袖を通していないあのワンピースがある。
あれだって、ホームパーティには堂々と着ていけるくらい可愛い。
一度だけ着てみて鏡の前に立って見た。
心がふわふわになりそうだったので、慌ててそれを脱いで地上に戻って来くらいだった。
女は、甘いものにも弱いけれども、綺麗な服にも弱いのだ。
そして、メイは心に決めた。
明日、買い物のついでに覗いてみよう、と。
ただし、お金を持っていたら買ってしまうかもしれないので、置いて行こう、と。
自分の心の弱さは前述の通りなので、じっくり考えるためにも、買えるだけのお金を持っていてはいけないのだ。
働いていた頃も、いまと同じように欲しい服に苦しめられたことがあった。
その時も財布を置き去りにして、我慢しきったのだ。