冬うらら~猫と起爆スイッチ~
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クリスマスを意識したような服が、飾ってあるのがいけない。
メイの求めている服も、まさにそれなのだから。
ハッとして足早になるが、また気づいたらトロトロと歩いている。
それを繰り返す彼女の前に。
「あっ…」
声をあげてしまった。
ウィンドウの中に―― ついに、彼女をノックアウトする服を見つけてしまったのである。
恐れていた事態だった。
ただ綺麗な服だけだったら、彼女は速度を緩めるだけでよかったのだ。
なのに、一目惚れする相手と出会ってしまったのだ。
足を止め、メイはじーっとそれ見た。
赤い、ひらひらのついている――
「その服は、君には似合わないよ」
しかし。
後方から、一言の元に切って捨てられた。
えっと振り返ると、女の、いや、男の人が一人立っている。
一瞬間違えそうだったのは、その繊細な顔立ちのせいか。
声を聞かなければ、どちらか分からなかったかもしれない。
その彼はウィンドウの中の、彼女の思い人を見ている。
誰?
なんて考えても分かるハズもなかった。
知らない人だ。
その、知らない人に、一目惚れの相手と両思いになることはないと言われてしまったのである。
そんな。
「ふぅん…やっぱりね」
ウィンドウの後は、メイの顔を覗かれる。
「髪が黒、目は茶色…おまけに庶民くさい。そこに、あの派手な赤い服を着たら…服だけがカーニバルだ」
くっ、と。
挙げ句、最後に笑ったのだ。
クリスマスを意識したような服が、飾ってあるのがいけない。
メイの求めている服も、まさにそれなのだから。
ハッとして足早になるが、また気づいたらトロトロと歩いている。
それを繰り返す彼女の前に。
「あっ…」
声をあげてしまった。
ウィンドウの中に―― ついに、彼女をノックアウトする服を見つけてしまったのである。
恐れていた事態だった。
ただ綺麗な服だけだったら、彼女は速度を緩めるだけでよかったのだ。
なのに、一目惚れする相手と出会ってしまったのだ。
足を止め、メイはじーっとそれ見た。
赤い、ひらひらのついている――
「その服は、君には似合わないよ」
しかし。
後方から、一言の元に切って捨てられた。
えっと振り返ると、女の、いや、男の人が一人立っている。
一瞬間違えそうだったのは、その繊細な顔立ちのせいか。
声を聞かなければ、どちらか分からなかったかもしれない。
その彼はウィンドウの中の、彼女の思い人を見ている。
誰?
なんて考えても分かるハズもなかった。
知らない人だ。
その、知らない人に、一目惚れの相手と両思いになることはないと言われてしまったのである。
そんな。
「ふぅん…やっぱりね」
ウィンドウの後は、メイの顔を覗かれる。
「髪が黒、目は茶色…おまけに庶民くさい。そこに、あの派手な赤い服を着たら…服だけがカーニバルだ」
くっ、と。
挙げ句、最後に笑ったのだ。