冬うらら~猫と起爆スイッチ~

 カァ。

 彼女は恥ずかしくなった。

 初対面の相手に、どうしてここまで言われなければならないのか。

 あの服とは身分違いなのだと言われた気がした。

 慌てて、その場を離れようとする。

「逃げることはないよ」

 しかし、しっかりと買い物袋を持っていない方の腕を掴まれる。

 細腕とは思えない力だ。

 え???

 突然のことにパニクっている内に―― メイは、店の中に引きずり込まれたのである。
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