冬うらら~猫と起爆スイッチ~

 確かに、大切なことだ。

 ハルコに招待されたクリスマスパーティ。カイトも一緒だ。

 そう、カイトも一緒なのである。

 綺麗な自分を見て欲しいというのもあった。

 それ以前に、カイトが恥をかかないような格好をしておかなければいけない。

 ワンピースはある。

 確かに、クローゼットには入っている。

『行くっつってんだろ…だから…』

 カイトの言葉が戻ってくる。

 もしかしたら、本当はクリスマスパーティに行きたくないのかもしれない。

 優しいカイトは、そうでも言わないと、彼女が洋服を買うお金を受け取らないと思ったのかもしれない。

 頭の中が、グルグルと迷う。

「何を思い詰めた顔してるのさ…行くの? 行かないの?」

 トウセイが、最後通告みたいに聞いた。

「う……よろしくお願いします」


 ――――観念した。


 やっぱり女は、弱い生き物だと思った。
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