冬うらら~猫と起爆スイッチ~
□
ナベと言っても、所詮は夕食だ。
いつもと何の違いもないハズなのに、どうして自分の心は穏やかにならないのだろうか。
同じナベを――
カイトの知っているナベと、彼女の知っているナベが同じだと仮定するならば、一つのナベを複数の人間でつつくのである。
しかも、今夜はあのうざったい邪魔者ヌキだ。
何を期待してんだ!
そう自分に怒鳴りろうとすると、尚更すごい勢いでタバコをふかすことになってしまった。
そんな時に、彼に電話が回ってきた。
秘書からである。
「何だ?」
まさか、開発室から引きはがす気ではないかと、イヤな予感がした――そして、本当にその予感が当たってしまった。
『ダークネスの社長がお見えですが…』
カイトは頭をかいた。
珍しいヤツが来たものである。
余り社交的に見えない相手が、向こうからやってきたのだ。
おまけに、アポもナシで。
まあ、いいか。
ダークネスの社長なら、面倒くささはほとんどない。
カイトがネクタイを結ばずにぶらさげていようが、一切気にしない男だ。
何かの提携かライセンスの話か―― まあ、ただヒマだから遊びに来たというヤツでないことは分かっていたので、彼は席を立った。
ナベと言っても、所詮は夕食だ。
いつもと何の違いもないハズなのに、どうして自分の心は穏やかにならないのだろうか。
同じナベを――
カイトの知っているナベと、彼女の知っているナベが同じだと仮定するならば、一つのナベを複数の人間でつつくのである。
しかも、今夜はあのうざったい邪魔者ヌキだ。
何を期待してんだ!
そう自分に怒鳴りろうとすると、尚更すごい勢いでタバコをふかすことになってしまった。
そんな時に、彼に電話が回ってきた。
秘書からである。
「何だ?」
まさか、開発室から引きはがす気ではないかと、イヤな予感がした――そして、本当にその予感が当たってしまった。
『ダークネスの社長がお見えですが…』
カイトは頭をかいた。
珍しいヤツが来たものである。
余り社交的に見えない相手が、向こうからやってきたのだ。
おまけに、アポもナシで。
まあ、いいか。
ダークネスの社長なら、面倒くささはほとんどない。
カイトがネクタイを結ばずにぶらさげていようが、一切気にしない男だ。
何かの提携かライセンスの話か―― まあ、ただヒマだから遊びに来たというヤツでないことは分かっていたので、彼は席を立った。