冬うらら~猫と起爆スイッチ~
□
ハルコが連れ出している可能性があったのだ。
ありえる話だ。
強引に、どこなりと連れ回されていることだって考えられ――
『いえ…今日は、会ってないわ』
カイトは。
凍り付いた。
グレイの目をいっぱいに見開き、ケイタイを持ったまま、彼は一瞬何もかも分からなくなった。
ん…だと?
メイがいない。
この家のどこにも見当たらない。
外は真っ暗で、家にはカギもかかっていた。
挙げ句、ハルコも行方を知らないと言う。
わなっと、唇が震えた。
この現実が信じられなかった。
『おかえりなさい…』
あの笑顔が。
こんなに簡単に、スイッチをひねって電気を消すかのように簡単に―― 消えてなくなってしまったのだ。
消えて。
『カイト君? 聞いている?』
彼の心が分かったのだろうか。
まるで正気づかせるように、強い声がケイタイから投げつけられた。
ハルコの声とは思えない動揺がある。
あの、いつも『うふふ』と笑っている彼女とは思えなかった。
『もしかしたら…買い物か何かに出かけた時に、何かトラブルに…』
ハルコは、その声のまま―― 示してはいけない選択肢の一つを、彼に見せてしまった。
ガシャーン!!!!!
カイトは、ケイタイを床に叩きつけた。
弾け飛ぶプラスティックや金属の破片。
「クソッ!!!!」
家を飛び出した。
ハルコが連れ出している可能性があったのだ。
ありえる話だ。
強引に、どこなりと連れ回されていることだって考えられ――
『いえ…今日は、会ってないわ』
カイトは。
凍り付いた。
グレイの目をいっぱいに見開き、ケイタイを持ったまま、彼は一瞬何もかも分からなくなった。
ん…だと?
メイがいない。
この家のどこにも見当たらない。
外は真っ暗で、家にはカギもかかっていた。
挙げ句、ハルコも行方を知らないと言う。
わなっと、唇が震えた。
この現実が信じられなかった。
『おかえりなさい…』
あの笑顔が。
こんなに簡単に、スイッチをひねって電気を消すかのように簡単に―― 消えてなくなってしまったのだ。
消えて。
『カイト君? 聞いている?』
彼の心が分かったのだろうか。
まるで正気づかせるように、強い声がケイタイから投げつけられた。
ハルコの声とは思えない動揺がある。
あの、いつも『うふふ』と笑っている彼女とは思えなかった。
『もしかしたら…買い物か何かに出かけた時に、何かトラブルに…』
ハルコは、その声のまま―― 示してはいけない選択肢の一つを、彼に見せてしまった。
ガシャーン!!!!!
カイトは、ケイタイを床に叩きつけた。
弾け飛ぶプラスティックや金属の破片。
「クソッ!!!!」
家を飛び出した。