冬うらら~猫と起爆スイッチ~
◆
血の気が溢れかえっていて、本当に殴りかかりそうな勢いだった。
どこが…大丈夫なんだ?
なぜ彼女が、この男をかばうのか、ジョウには分からなかった。
虐待を受けているというのなら、はっきりさせていった方が、彼女のためなのである。
混乱しながら、彼は必死に現状を整理しようとした。
正確には、この二人の関係を把握しようとしたのだ。
そうしている内に、事態は進む。
買い物の袋を持った彼女から、その袋が奪われ、コンクリートに叩きつけられた。
次の瞬間、二人の姿は派出所から消えた。
慌てて追うと、バイクで逃走―― ではなく、走り去っていった。
しかも。
二人ともノーヘルで。
いままでジョウは、長い間警察という職業に従事してきたが、こんな騒ぎは生まれて初めてである。
喧嘩暴力迷子家出と、いろんなものを見てきた。
いろんな事件が起きる。
しかし、あの二人はどれにも似ているようで、どれとも違っていたのだ。
ノーヘル。
公務執行妨害もどき。
婦女虐待(?)
様々な違反と憶測がジョウの中で渦巻く。
追いかけることは出来た。
一応、派出所にはバイクがある。
本署に通報して、追いかけてもらうことも出来る。
しかし、あの必死なメイの目が、彼の動きを止めた。
あんな怖そうな男に、彼女はついて行ったのだ。
最後は、自分からバイクに乗っていた。
何か、弱味でも握られているのだろうか。
ついて行かなければならない理由があるのか。
血の気が溢れかえっていて、本当に殴りかかりそうな勢いだった。
どこが…大丈夫なんだ?
なぜ彼女が、この男をかばうのか、ジョウには分からなかった。
虐待を受けているというのなら、はっきりさせていった方が、彼女のためなのである。
混乱しながら、彼は必死に現状を整理しようとした。
正確には、この二人の関係を把握しようとしたのだ。
そうしている内に、事態は進む。
買い物の袋を持った彼女から、その袋が奪われ、コンクリートに叩きつけられた。
次の瞬間、二人の姿は派出所から消えた。
慌てて追うと、バイクで逃走―― ではなく、走り去っていった。
しかも。
二人ともノーヘルで。
いままでジョウは、長い間警察という職業に従事してきたが、こんな騒ぎは生まれて初めてである。
喧嘩暴力迷子家出と、いろんなものを見てきた。
いろんな事件が起きる。
しかし、あの二人はどれにも似ているようで、どれとも違っていたのだ。
ノーヘル。
公務執行妨害もどき。
婦女虐待(?)
様々な違反と憶測がジョウの中で渦巻く。
追いかけることは出来た。
一応、派出所にはバイクがある。
本署に通報して、追いかけてもらうことも出来る。
しかし、あの必死なメイの目が、彼の動きを止めた。
あんな怖そうな男に、彼女はついて行ったのだ。
最後は、自分からバイクに乗っていた。
何か、弱味でも握られているのだろうか。
ついて行かなければならない理由があるのか。