冬うらら~猫と起爆スイッチ~

【GAME OVER

あなたは、もう3人死にました。

コンティニューは―― できません】



 カイトは、ばっと彼女の腕を捕まえた。

 怖い考えから、彼は逃げ出さなければならないのだ。

 このままでは、ゴーストにとりつかれてしまう。

 なのに、彼女は買い物の袋を拾った。

 夕食のナベの材料らしいものが、たくさん詰まった重そうな袋。

 んなもんのタメに!

 ブチブチッ―― 瞼の裏の毛細血管が切れる。

 奪い取るや叩きつけた。

 そんなもの、見たくもなかったのだ。

 買い物などに出てしまったから、こんなことになったのである。
 彼女が、仕事をするのを容認してしまったがために。

 クソッッッッッ!

 もう。

 一秒の猶予もなかった。

 メイを、バイクで連れ去った。
< 654 / 911 >

この作品をシェア

pagetop