冬うらら~猫と起爆スイッチ~
□
翌日は土曜日だ。
しかし、カイトは出勤した。
メイが起きるよりももっと早い時間に。
星もない明け方と、太陽の出ない昼間がすぎていく。
そして、真夜中までプログラムを組んだ。
リハビリをするように、少しずつプログラムを組む。
意識よりも早く入力出来るはずのこの指は、組み方を忘れてしまったのか。
いや、そうではない。
記憶が戻ってきて、彼をかき乱すのだ。
決して、プログラムに集中させまいとする。
そのたびに指が止まる。
ゲーム機にソフトを突っ込んだ。
まだ、こっちの方が集中できそうな気がしたのだ。
そして、どんどん時間だけが過ぎていく。
真夜中。
フラフラになりながらも、彼は家に帰り着いていた。
ドアの前で、カイトは止まった。
また、彼女が向こう側にいるのではないかと思うと、手が震えるのだ。
目をつむって、強く開く。
いなかった。
はぁ、と深いため息をついてドアを閉める。
まだマシだった。
彼女の視線に晒されるよりは、こっちの方がマシだ。
いや、会いたい。
でもそんな権利は、もうカイトにはなかった。
部屋に入る。
しかし、それだけでも辛さが押し寄せた。
メイの痕跡が、どこにでもあったのだ。
ビールの缶は片づいていて、ベッドも整えてある。
間違いなく、彼女がしてくれたのだ。
押し入れからビールの缶を取り出す。
ぬるくてもマズくても、そんなものは何も関係ない。
ぐいぐいと胃袋の中に流し込むだけ。
翌日は土曜日だ。
しかし、カイトは出勤した。
メイが起きるよりももっと早い時間に。
星もない明け方と、太陽の出ない昼間がすぎていく。
そして、真夜中までプログラムを組んだ。
リハビリをするように、少しずつプログラムを組む。
意識よりも早く入力出来るはずのこの指は、組み方を忘れてしまったのか。
いや、そうではない。
記憶が戻ってきて、彼をかき乱すのだ。
決して、プログラムに集中させまいとする。
そのたびに指が止まる。
ゲーム機にソフトを突っ込んだ。
まだ、こっちの方が集中できそうな気がしたのだ。
そして、どんどん時間だけが過ぎていく。
真夜中。
フラフラになりながらも、彼は家に帰り着いていた。
ドアの前で、カイトは止まった。
また、彼女が向こう側にいるのではないかと思うと、手が震えるのだ。
目をつむって、強く開く。
いなかった。
はぁ、と深いため息をついてドアを閉める。
まだマシだった。
彼女の視線に晒されるよりは、こっちの方がマシだ。
いや、会いたい。
でもそんな権利は、もうカイトにはなかった。
部屋に入る。
しかし、それだけでも辛さが押し寄せた。
メイの痕跡が、どこにでもあったのだ。
ビールの缶は片づいていて、ベッドも整えてある。
間違いなく、彼女がしてくれたのだ。
押し入れからビールの缶を取り出す。
ぬるくてもマズくても、そんなものは何も関係ない。
ぐいぐいと胃袋の中に流し込むだけ。