冬うらら~猫と起爆スイッチ~
11/30 Tue.-2
●16
車の音が――聞こえた。
メイは、ぱっと飛び起きる。
昨夜は、ほとんど眠れなかった。
そのせいで、ついベッドでうとうとしてしまっていたのだ。
慌てて、机の上の時計を見る。
しかし、眠り始めて1時間ちょっとしかたっていなかった。
メイは、カイトの帰宅が余りに早いので、自分がついうっかり丸一日くらい眠ってしまったんじゃないだろうかと不安に思ってしまう。
そんなハズがあるわけもない。
彼女は、胸が早く叩くのが分かった。
ドキドキする。
また、彼のあの目とぶつかるのだ。
不安と不安と不安と、それとグレイの目の色が、メイの胸の中で混ざる。
あの灰色だけは、他のものよりも比重が重いらしく、すーっと一筋の線になって沈んでいく感じがした。
まさか、ネクタイを締めたことが気に入らずに、怒りに帰ってきたんじゃないかと、妙な不安がよぎる。
相手は、予測のつかないカイトなのだ。
何が起きてもおかしくなかった。
どうしよう。
そんなバカな話はない、と思いたかった。
たとえ、不安なんかなくても、カイトと向き合うには非常に強い心が必要なのだ。
とりあえず、ベッドから降りる。
いつまでも、寝転がっている女だとは思われたくなかった。
メイは、バタバタとバスルームに飛び込んだ。
まだ顔も洗っていなかったのだ。
しかし。
そこは――昨日の惨状のまま。
車の音が――聞こえた。
メイは、ぱっと飛び起きる。
昨夜は、ほとんど眠れなかった。
そのせいで、ついベッドでうとうとしてしまっていたのだ。
慌てて、机の上の時計を見る。
しかし、眠り始めて1時間ちょっとしかたっていなかった。
メイは、カイトの帰宅が余りに早いので、自分がついうっかり丸一日くらい眠ってしまったんじゃないだろうかと不安に思ってしまう。
そんなハズがあるわけもない。
彼女は、胸が早く叩くのが分かった。
ドキドキする。
また、彼のあの目とぶつかるのだ。
不安と不安と不安と、それとグレイの目の色が、メイの胸の中で混ざる。
あの灰色だけは、他のものよりも比重が重いらしく、すーっと一筋の線になって沈んでいく感じがした。
まさか、ネクタイを締めたことが気に入らずに、怒りに帰ってきたんじゃないかと、妙な不安がよぎる。
相手は、予測のつかないカイトなのだ。
何が起きてもおかしくなかった。
どうしよう。
そんなバカな話はない、と思いたかった。
たとえ、不安なんかなくても、カイトと向き合うには非常に強い心が必要なのだ。
とりあえず、ベッドから降りる。
いつまでも、寝転がっている女だとは思われたくなかった。
メイは、バタバタとバスルームに飛び込んだ。
まだ顔も洗っていなかったのだ。
しかし。
そこは――昨日の惨状のまま。