冬うらら~猫と起爆スイッチ~
☆
しかし、まだカイトの方がリハビリは可能だと思っていたし、彼女が現れたことによって、絶対に大きく変わるだろうと確信していた。
いや、既に大きく変わり始めていた。
あんなカイトを見るのは初めてだ、という光景を、連続でいくつも見せられてきたのである。
「カイト君は、何だかすごく荒れているみたいだし…私、心配で」
ハルコは―― 自分の恋愛の時だって、こんなにオロオロしたことはなかったかもしれない。
それどころか、温和を自称しているソウマをキレさせて、らしくないことをさせたことすらあるというのに。
少し妬けるが、いまはそんな感情に手をかけるタイミングではない。
「分かった分かった…どうせ、オレも気にはなるからな。今度、一回様子を見てこよう」
よしよしと、そっと抱き寄せる。
「私も…彼女を探すわ…きっと遠くには行っていないと思うの」
早く見つけないと。
ハルコは、まだ落ち着きを取り戻せないようだった。
「おいおいハルコ…自分の身体は大事にしてくれよ」
どうにも興奮状態が持続するのは、身体が普段とは違うせいか。
妊娠中は、いろんなものが不安定になるらしいから。
「でも…」
いても立ってもいられないの。
「よし、じゃあお茶を入れよう」
ソウマは、いきなりソファから立ち上がった。
「え?」
驚いたような妻の目に追いかけられるというのも、たまにはいいものである。
ソウマは、そのままキッチンの方に向かった。
しかし、まだカイトの方がリハビリは可能だと思っていたし、彼女が現れたことによって、絶対に大きく変わるだろうと確信していた。
いや、既に大きく変わり始めていた。
あんなカイトを見るのは初めてだ、という光景を、連続でいくつも見せられてきたのである。
「カイト君は、何だかすごく荒れているみたいだし…私、心配で」
ハルコは―― 自分の恋愛の時だって、こんなにオロオロしたことはなかったかもしれない。
それどころか、温和を自称しているソウマをキレさせて、らしくないことをさせたことすらあるというのに。
少し妬けるが、いまはそんな感情に手をかけるタイミングではない。
「分かった分かった…どうせ、オレも気にはなるからな。今度、一回様子を見てこよう」
よしよしと、そっと抱き寄せる。
「私も…彼女を探すわ…きっと遠くには行っていないと思うの」
早く見つけないと。
ハルコは、まだ落ち着きを取り戻せないようだった。
「おいおいハルコ…自分の身体は大事にしてくれよ」
どうにも興奮状態が持続するのは、身体が普段とは違うせいか。
妊娠中は、いろんなものが不安定になるらしいから。
「でも…」
いても立ってもいられないの。
「よし、じゃあお茶を入れよう」
ソウマは、いきなりソファから立ち上がった。
「え?」
驚いたような妻の目に追いかけられるというのも、たまにはいいものである。
ソウマは、そのままキッチンの方に向かった。