冬うらら~猫と起爆スイッチ~
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分かったのだ。
あの時の格好とは違ったので、すぐには分からなかったが―― あれは。
派出所の巡査さんだった。
顔の威圧感という特徴のおかげで、はっきりと記憶が戻ってくる。
あ、どうしよう。
今更逃げることも出来ずに、彼がすぐ側で止まるまで硬直したままだった。
「ああ、やっぱり見間違いじゃなかったな。あれからどうなったか心配していたんだ。元気そうで何よりだ」
怖そうな外見とは裏腹な笑顔を浮かべて、巡査さんが話しかけてくる。
黒のタートルネックにジャンパーをひっかけた彼は、ぱっと見には、誰も警察官だとは思わないだろう。
もっとヤバそうなところで働いている人に見える。
「ところで、あれから大丈夫だったのか? 怒られなかったか?」
あんな騒々しい真似をしたのだ。
巡査さんも気になっていたのだろう。
けれども。
それは、メイの記憶を揺さぶった。
フタをしていた、寂しくてしょうがなかった気持ちが、あふれ出す。
「お、おい! 何か悪いことを聞いたか? どうした?」
いきなり泣き出してしまったメイは、また、この犬のお巡りさんを困らせてしまった。
分かったのだ。
あの時の格好とは違ったので、すぐには分からなかったが―― あれは。
派出所の巡査さんだった。
顔の威圧感という特徴のおかげで、はっきりと記憶が戻ってくる。
あ、どうしよう。
今更逃げることも出来ずに、彼がすぐ側で止まるまで硬直したままだった。
「ああ、やっぱり見間違いじゃなかったな。あれからどうなったか心配していたんだ。元気そうで何よりだ」
怖そうな外見とは裏腹な笑顔を浮かべて、巡査さんが話しかけてくる。
黒のタートルネックにジャンパーをひっかけた彼は、ぱっと見には、誰も警察官だとは思わないだろう。
もっとヤバそうなところで働いている人に見える。
「ところで、あれから大丈夫だったのか? 怒られなかったか?」
あんな騒々しい真似をしたのだ。
巡査さんも気になっていたのだろう。
けれども。
それは、メイの記憶を揺さぶった。
フタをしていた、寂しくてしょうがなかった気持ちが、あふれ出す。
「お、おい! 何か悪いことを聞いたか? どうした?」
いきなり泣き出してしまったメイは、また、この犬のお巡りさんを困らせてしまった。