冬うらら~猫と起爆スイッチ~
●
「あきれ…ました?」
一番最初のところから、話をしてしまったのだ。
自分がどこに勤めていたかまで。
それが、2人を呆れさせたと思った。
「あき…れた…」
そう言ったのは、ソウマだった。
やっぱり。
メイの心は、ずんと沈んだ。
普通の感覚の人なら、そうだろう。
やはり、ああいう職場で働いていたというこ――
「あきれたぞ! 俺は!」
いきなりソウマが立ち上がったので、メイはビクッとしてしまった。
「あなた…」
ハルコが、慌ててそんな彼を止めようとする。
「2、3発…いや、5、6発は殴らないと気がすまん! あのバカを!」
こんなに激昂しているソウマを見るのは初めてだ。
本当に、誰かを殴りそうな勢いである。
「気持ちは分かるわ…分かるけど、とりあえずいまはダメよ。だから、座ってちょうだい」
ハルコがいさめると、まだ怒りさめやらぬまま、どすんとソファに腰を下ろした。
ふーっと、蒸気のようにため息を吹き出す。
一体。
何が、どうしたというのだろう。
いまの2人の会話を、まったく理解できなかった。
ソウマが誰かに怒っている。
しかし、それは自分に向けられているものではないのだ。
何か説明の仕方が悪かったのだろうか。
「あの…」
ようやく割って入れる空気を見つけて、彼女は言葉を挟んだ。
「ああ、そうね…私も少し混乱しているみたい…すぐに説明出来ると思うわ…でも、ちょっと待って」
少しではなく―― かなり混乱しているようだった。
「あきれ…ました?」
一番最初のところから、話をしてしまったのだ。
自分がどこに勤めていたかまで。
それが、2人を呆れさせたと思った。
「あき…れた…」
そう言ったのは、ソウマだった。
やっぱり。
メイの心は、ずんと沈んだ。
普通の感覚の人なら、そうだろう。
やはり、ああいう職場で働いていたというこ――
「あきれたぞ! 俺は!」
いきなりソウマが立ち上がったので、メイはビクッとしてしまった。
「あなた…」
ハルコが、慌ててそんな彼を止めようとする。
「2、3発…いや、5、6発は殴らないと気がすまん! あのバカを!」
こんなに激昂しているソウマを見るのは初めてだ。
本当に、誰かを殴りそうな勢いである。
「気持ちは分かるわ…分かるけど、とりあえずいまはダメよ。だから、座ってちょうだい」
ハルコがいさめると、まだ怒りさめやらぬまま、どすんとソファに腰を下ろした。
ふーっと、蒸気のようにため息を吹き出す。
一体。
何が、どうしたというのだろう。
いまの2人の会話を、まったく理解できなかった。
ソウマが誰かに怒っている。
しかし、それは自分に向けられているものではないのだ。
何か説明の仕方が悪かったのだろうか。
「あの…」
ようやく割って入れる空気を見つけて、彼女は言葉を挟んだ。
「ああ、そうね…私も少し混乱しているみたい…すぐに説明出来ると思うわ…でも、ちょっと待って」
少しではなく―― かなり混乱しているようだった。