冬うらら~猫と起爆スイッチ~
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本当は、会社に行こうと思っていたのだ。
しかし、行けるハズがない。
彼女がこの家にいて、仕事をしているのだ。
あのメイが。
分かるハズがなかった。
理由なんか、どれだけ考えても思い当たるフシすらなかった。
だが、彼女を目の前にした途端、こんなにまで胸がかき乱される。
意識が激しく混乱する。
ちゃんと考えているフリをして、結局、頭の中は雪崩を起こしているのだ。
まだ、全然ダメだった。
ちょっとしたはずみで開いたフタを、カイトはどうにも出来ないでいるのだ。
ベッドにうつぶせて、目を閉じて、頭を抱えて。
息を詰めてみても―― あっという間に彼女という存在が、右脳の全フラグを立てて回るのだ。
全て鮮明に、リプレイする。
ジェットコースターのようにめまぐるしく変わる画像に、カイトの気持ちの方が追いつけないくらいだった。
けれど。
残った気持ちは、たった一粒だけ。
――会いた…かった。
そう、思った瞬間。
心臓が止まりそうな事件が起きた。
ドアが、ノックされたのだ。
本当は、会社に行こうと思っていたのだ。
しかし、行けるハズがない。
彼女がこの家にいて、仕事をしているのだ。
あのメイが。
分かるハズがなかった。
理由なんか、どれだけ考えても思い当たるフシすらなかった。
だが、彼女を目の前にした途端、こんなにまで胸がかき乱される。
意識が激しく混乱する。
ちゃんと考えているフリをして、結局、頭の中は雪崩を起こしているのだ。
まだ、全然ダメだった。
ちょっとしたはずみで開いたフタを、カイトはどうにも出来ないでいるのだ。
ベッドにうつぶせて、目を閉じて、頭を抱えて。
息を詰めてみても―― あっという間に彼女という存在が、右脳の全フラグを立てて回るのだ。
全て鮮明に、リプレイする。
ジェットコースターのようにめまぐるしく変わる画像に、カイトの気持ちの方が追いつけないくらいだった。
けれど。
残った気持ちは、たった一粒だけ。
――会いた…かった。
そう、思った瞬間。
心臓が止まりそうな事件が起きた。
ドアが、ノックされたのだ。