冬うらら~猫と起爆スイッチ~
□
カイトは、がばっと身体を起こした。
ベッドの上からドアを見る。
「メイです」
他の可能性にすがる前に、ドアの向こうからそんな声が聞こえた。
間違いのない相手が、そこにいるのだ。
そっと。
ドアが開いた。
呆然とするより他ない。
彼女は、わざわざこの部屋に何をしにきたのか。
そうか。
この部屋の掃除だ。
カイトはそう思った。
他のところが終わって、きっとここまでたどり着いたに過ぎないのだ。
ただそれだけ。
なのに。
カイトは目を疑った。
メイの姿のせいだ。
さっき、彼が目撃したシルエットとは違ったのである。
もうジーンズではなかった。
花柄のロングスカートにジャケット。
手にはコートという出で立ちだった。
そして、彼女は言った。
「仕事が終わりましたので、これで失礼させていただきます」
ぺこり。
落ち着かないような動きで、彼女は頭を下げた。
ムカッとしたものが胸をよぎる。どんな状況であろうとも、メイに頭を下げられるのはイヤだったのだ。
今ですら、そうだった。
しかし、わざわざ仕事終わりの報告に来た彼女を、見つめるしかできない。
どんな反応も返せなかった。
カイトは、がばっと身体を起こした。
ベッドの上からドアを見る。
「メイです」
他の可能性にすがる前に、ドアの向こうからそんな声が聞こえた。
間違いのない相手が、そこにいるのだ。
そっと。
ドアが開いた。
呆然とするより他ない。
彼女は、わざわざこの部屋に何をしにきたのか。
そうか。
この部屋の掃除だ。
カイトはそう思った。
他のところが終わって、きっとここまでたどり着いたに過ぎないのだ。
ただそれだけ。
なのに。
カイトは目を疑った。
メイの姿のせいだ。
さっき、彼が目撃したシルエットとは違ったのである。
もうジーンズではなかった。
花柄のロングスカートにジャケット。
手にはコートという出で立ちだった。
そして、彼女は言った。
「仕事が終わりましたので、これで失礼させていただきます」
ぺこり。
落ち着かないような動きで、彼女は頭を下げた。
ムカッとしたものが胸をよぎる。どんな状況であろうとも、メイに頭を下げられるのはイヤだったのだ。
今ですら、そうだった。
しかし、わざわざ仕事終わりの報告に来た彼女を、見つめるしかできない。
どんな反応も返せなかった。