冬うらら~猫と起爆スイッチ~
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やはり。
あのカゴの扉を開けてよかったのだ。
ズクン。
切り傷のような熱を、身体のあちこちに感じる。
自由に飛び回って、さえずっているではないか。
彼女の持つ気配に、パワーを感じる。
隣に座っているだけで、それが伝わってくる。
きっと。
あのまま自分の側に置いていたら、こんな力は彼女には生まれなかっただろう。
それどころか、きっと奪うばかりだったに違いない。
そして、奪えなかった力が、いま隣で輝いている。
彼女の方を、見ていられなかった。
「あ、ほら、おちょこ持ってください」
急ぐようなメイの指が、持ってこられた猪口を彼に押しつける。
反射的に受け取ると、女将が2人に酌をしてくれた。
よかった。
もしも、メイが酌をしようものなら―― きっと、まだ耐えられなかっただろう。
「ええっと…あっと…乾杯」
カチン。
猪口が、彼の持っている方にぶつけられた。
一体。
何に乾杯しろというのだろうか。
やはり。
あのカゴの扉を開けてよかったのだ。
ズクン。
切り傷のような熱を、身体のあちこちに感じる。
自由に飛び回って、さえずっているではないか。
彼女の持つ気配に、パワーを感じる。
隣に座っているだけで、それが伝わってくる。
きっと。
あのまま自分の側に置いていたら、こんな力は彼女には生まれなかっただろう。
それどころか、きっと奪うばかりだったに違いない。
そして、奪えなかった力が、いま隣で輝いている。
彼女の方を、見ていられなかった。
「あ、ほら、おちょこ持ってください」
急ぐようなメイの指が、持ってこられた猪口を彼に押しつける。
反射的に受け取ると、女将が2人に酌をしてくれた。
よかった。
もしも、メイが酌をしようものなら―― きっと、まだ耐えられなかっただろう。
「ええっと…あっと…乾杯」
カチン。
猪口が、彼の持っている方にぶつけられた。
一体。
何に乾杯しろというのだろうか。