冬うらら~猫と起爆スイッチ~
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次々と運ばれてくる料理。
いつもはおいしい料理も、この時ばかりは味が分からなかった。
それに、つい気が動転していて、食べたことのない料理まで頼んでしまっていた。
「これ、いいの?」
女将が、お肉の乗った皿を出す。
心配そうな顔で。
「え、あ、はい…お肉は大丈夫ですけど」
意味は分からなかったが、それを受け取る。
「…それ、カエルよ?」
お皿を2人の間に置いた瞬間、女将はそう言った。
ピキン!
メイは、思わず固まってしまった。
カ、カ、カ、カエルぅぅぅぅ???
目をひんむいて、こわごわ皿の上を見る。
レタスの上に飾られたお肉だ。
言われなければ、カエルだなんて分からなかったかもしれない。
なのに、聞いた途端―― メイの目には、レタスの上に生きているカエルが座って、『ゲコ』と鳴いているように見えてしまったのだ。
何てものを注文してしまったのか。
きっとメニューには、分かりづらく書いてあったに違いない。
でなければ、カエル料理を注文したりはしなかっただろう。
カエルは嫌いというワケではない。
そこら辺にぴょんぴょん跳ねている分には、きゃーきゃー言うことはないのだが、いざ調理された姿を見せられると。
ど、どうしよう。
汗が、だらだら流れてくる。
自分が注文した手前、残すなんてもってのほかだ。
かといって、カイトにカエルを食べさせるワケにもいかない。
カエルは、鶏肉に似ておいしいと話を聞いたことがあった。
ゴクリ。
メイは、覚悟を決めた。
自分で、このカエルを食べきろうと思ったのだ。
そうしてこわごわ箸を伸ばしかけた。
次々と運ばれてくる料理。
いつもはおいしい料理も、この時ばかりは味が分からなかった。
それに、つい気が動転していて、食べたことのない料理まで頼んでしまっていた。
「これ、いいの?」
女将が、お肉の乗った皿を出す。
心配そうな顔で。
「え、あ、はい…お肉は大丈夫ですけど」
意味は分からなかったが、それを受け取る。
「…それ、カエルよ?」
お皿を2人の間に置いた瞬間、女将はそう言った。
ピキン!
メイは、思わず固まってしまった。
カ、カ、カ、カエルぅぅぅぅ???
目をひんむいて、こわごわ皿の上を見る。
レタスの上に飾られたお肉だ。
言われなければ、カエルだなんて分からなかったかもしれない。
なのに、聞いた途端―― メイの目には、レタスの上に生きているカエルが座って、『ゲコ』と鳴いているように見えてしまったのだ。
何てものを注文してしまったのか。
きっとメニューには、分かりづらく書いてあったに違いない。
でなければ、カエル料理を注文したりはしなかっただろう。
カエルは嫌いというワケではない。
そこら辺にぴょんぴょん跳ねている分には、きゃーきゃー言うことはないのだが、いざ調理された姿を見せられると。
ど、どうしよう。
汗が、だらだら流れてくる。
自分が注文した手前、残すなんてもってのほかだ。
かといって、カイトにカエルを食べさせるワケにもいかない。
カエルは、鶏肉に似ておいしいと話を聞いたことがあった。
ゴクリ。
メイは、覚悟を決めた。
自分で、このカエルを食べきろうと思ったのだ。
そうしてこわごわ箸を伸ばしかけた。