冬うらら~猫と起爆スイッチ~
□
公園のちょうど真ん中で。
カイトは、目を見開くしか出来なかった。
いま、彼女は何と言ったのか。
「あなたのことが、ずっと、ずっと好きで…好きで…きで…で…」
声が、とぎれる。
ひっく、と一度しゃくりあげる音が、言葉をかき消したのだ。
手を握られる強さが、彼を現実に引き止める。
熱い、痛い。痛い。痛い、痛い。
痛い―― 痛かった。
それは、手なんかじゃない。
違う。違った。でも、痛かった。
ぼたっ、と。
足元に何か落ちた。
何か分からなかった。
いや。
信じられなかった。
いま、自分の顔からそれが落ちたのだ。
彼女の使う言葉の意味など分かっていないのに、頭はちっとも理解していないというのに、身体だけが反応するのだ。
いきなり全身を、今までとは違う血が巡り始める。
すごい勢いで―― でも、温度のある血液だ。
それが、彼の身体の中を駆けめぐっていく。
まぶたが、熱かった。
鼻先がつんとした。
でも、顔を拭けなかった。
ただ。
メイの手を、強く握り返すしかできなかった。
公園のちょうど真ん中で。
カイトは、目を見開くしか出来なかった。
いま、彼女は何と言ったのか。
「あなたのことが、ずっと、ずっと好きで…好きで…きで…で…」
声が、とぎれる。
ひっく、と一度しゃくりあげる音が、言葉をかき消したのだ。
手を握られる強さが、彼を現実に引き止める。
熱い、痛い。痛い。痛い、痛い。
痛い―― 痛かった。
それは、手なんかじゃない。
違う。違った。でも、痛かった。
ぼたっ、と。
足元に何か落ちた。
何か分からなかった。
いや。
信じられなかった。
いま、自分の顔からそれが落ちたのだ。
彼女の使う言葉の意味など分かっていないのに、頭はちっとも理解していないというのに、身体だけが反応するのだ。
いきなり全身を、今までとは違う血が巡り始める。
すごい勢いで―― でも、温度のある血液だ。
それが、彼の身体の中を駆けめぐっていく。
まぶたが、熱かった。
鼻先がつんとした。
でも、顔を拭けなかった。
ただ。
メイの手を、強く握り返すしかできなかった。