冬うらら~猫と起爆スイッチ~
□
カギを開け、ドアが開かれる。
「あ、その…殺風景ですけど、どうぞ」
恥ずかしそうに、メイは部屋の電気をつけて中に入った。
カイトも後を続く。後ろのドアを閉めながら。
靴を脱いで上がって、そこでようやく顔を上げた。
部屋の中を、初めてしっかりと見たのだ。
驚いた。
ロクなものがなかったのである。
ガランとした室内に、3段ボックスやパイプベッドや―― そんな、貧相な家具がちょっとあるだけで、あとは何もなかった。
メイには、ちゃんと金を持たせたハズだった。そうシュウは報告していた。
だから、もっといい場所に住んだり、いい家具を入れたりすることは可能だったはずである。
なのに、どうしてこんな古いアパートで、侘びしい暮らしをしているのか。
出ていけて、幸せだったんじゃないのか。
違う。
彼女は、メイは―― そんなことを考えるような女じゃなかった。
人の渡したお金の上であぐらをかいて、浪費するような女じゃなかったのだ。
誰が見ていようが見ていまいが、何一つ彼女は変わらないのである。
胸が荒れ狂った。
たまらなく、愛おしい気持ちがこみあげる。
メイはコートのまま、彼に背中を向けていて。
「あ、寒いでしょ…ストーブつけま…!」
耐えきれなかった。
愛しくてしょうがなくなる。好きでしょうがなかった。
だから、その背中を強く抱きしめた。
カギを開け、ドアが開かれる。
「あ、その…殺風景ですけど、どうぞ」
恥ずかしそうに、メイは部屋の電気をつけて中に入った。
カイトも後を続く。後ろのドアを閉めながら。
靴を脱いで上がって、そこでようやく顔を上げた。
部屋の中を、初めてしっかりと見たのだ。
驚いた。
ロクなものがなかったのである。
ガランとした室内に、3段ボックスやパイプベッドや―― そんな、貧相な家具がちょっとあるだけで、あとは何もなかった。
メイには、ちゃんと金を持たせたハズだった。そうシュウは報告していた。
だから、もっといい場所に住んだり、いい家具を入れたりすることは可能だったはずである。
なのに、どうしてこんな古いアパートで、侘びしい暮らしをしているのか。
出ていけて、幸せだったんじゃないのか。
違う。
彼女は、メイは―― そんなことを考えるような女じゃなかった。
人の渡したお金の上であぐらをかいて、浪費するような女じゃなかったのだ。
誰が見ていようが見ていまいが、何一つ彼女は変わらないのである。
胸が荒れ狂った。
たまらなく、愛おしい気持ちがこみあげる。
メイはコートのまま、彼に背中を向けていて。
「あ、寒いでしょ…ストーブつけま…!」
耐えきれなかった。
愛しくてしょうがなくなる。好きでしょうがなかった。
だから、その背中を強く抱きしめた。