冬うらら~猫と起爆スイッチ~
□
驚いたように硬直する、メイの身体。
「あ、あの…っ」
焦っている身体を、もっと強く抱く。
そして。
「好きだ…」
絞り出した。
これまで言えなかった言葉を、彼は呻くように絞り出したのだ。
メイは、動きを止めた。
ビクリと身体を震わせた後、まるで人形のように固まってしまった。
髪の感触に顔を埋める。
メイの匂いと体温が、頬に伝わってきた。
その髪にもっと顔を押しつけた。
「好きだ、好き…だ…好きだ……きだ…」
ずっと、ずっと好きだった。
最初からメイだけは、自分の中で特別な位置にいた。
理由も分からずに、あの店に置いておくのがイヤで、大金払って連れ出して。
その時から、彼女はカイトの中にある、あの椅子に座っていたのだ。
「好き…だ」
カイトは、その椅子の前に立った。
そして、彼女に初めてそう言ったのである。
現実では、背中からメイを抱きしめて、髪にそれを伝えるしか出来ない。
もうどうなってもよかった。
この気持ちが溢れて止まらない。
いま伝えておかなければ、明日死ぬような気がしたのだ。
ぽたっ―― そんな小さな音がした。
驚いたように硬直する、メイの身体。
「あ、あの…っ」
焦っている身体を、もっと強く抱く。
そして。
「好きだ…」
絞り出した。
これまで言えなかった言葉を、彼は呻くように絞り出したのだ。
メイは、動きを止めた。
ビクリと身体を震わせた後、まるで人形のように固まってしまった。
髪の感触に顔を埋める。
メイの匂いと体温が、頬に伝わってきた。
その髪にもっと顔を押しつけた。
「好きだ、好き…だ…好きだ……きだ…」
ずっと、ずっと好きだった。
最初からメイだけは、自分の中で特別な位置にいた。
理由も分からずに、あの店に置いておくのがイヤで、大金払って連れ出して。
その時から、彼女はカイトの中にある、あの椅子に座っていたのだ。
「好き…だ」
カイトは、その椅子の前に立った。
そして、彼女に初めてそう言ったのである。
現実では、背中からメイを抱きしめて、髪にそれを伝えるしか出来ない。
もうどうなってもよかった。
この気持ちが溢れて止まらない。
いま伝えておかなければ、明日死ぬような気がしたのだ。
ぽたっ―― そんな小さな音がした。