冬うらら~猫と起爆スイッチ~
01/09 Sun.-3
●176
ストーブをつけに行こうと思った。
他の暖房器具は何もなく、いま帰ってきたばかりの部屋は、とても寒いのである。
このままでは、余りの寒さに2人とも、コートさえ脱げないだろう。
あの公園でひやかされて、はっと我に返った。
気がついたら、カイトの腕に抱きしめられていて、涙でぐちゃぐちゃで。
恥ずかしさが、かっと火のように身体の中を駆け巡った。
混乱しているし泣いて興奮もしている。
こんな顔を見られたくもなかったし、ここから早く逃げ出したかったのだ。
動揺したまま、慌てて彼の手を捕まえて、家に連れてきてしまった。
何で。
何で、抱きしめてくれたんだろう。
あんなに力強い腕で。
メイは、答えの回廊の中を駆けめぐったが、こんな状況で答えなんか出せるはずもなかった。
まだ、後ろにはカイト本人がいるのである。落ち着けと言われても無理だ。
とにかく、ストーブをつけてお茶を入れなければ。
お湯を沸かして、それからそれから。
メイは、足がもつれそうになりながら、ストーブに近付こうとした。
なのに。
まさか。
抱きしめられてしまうなんて。
あとちょっとでストーブだというのに、彼女は身動き一つ出来なかった。
背中に強い圧迫感を感じる。胸にも。
気づいたら、彼の腕が自分の胸に回っていた。
腕時計が見えた。
あの、銀のアナログ時計だ。
回された手首に、それが光っていた。
カイトだ。
その腕を見れば分かる。
彼が、背中からメイを抱きしめているのだ。
ストーブをつけに行こうと思った。
他の暖房器具は何もなく、いま帰ってきたばかりの部屋は、とても寒いのである。
このままでは、余りの寒さに2人とも、コートさえ脱げないだろう。
あの公園でひやかされて、はっと我に返った。
気がついたら、カイトの腕に抱きしめられていて、涙でぐちゃぐちゃで。
恥ずかしさが、かっと火のように身体の中を駆け巡った。
混乱しているし泣いて興奮もしている。
こんな顔を見られたくもなかったし、ここから早く逃げ出したかったのだ。
動揺したまま、慌てて彼の手を捕まえて、家に連れてきてしまった。
何で。
何で、抱きしめてくれたんだろう。
あんなに力強い腕で。
メイは、答えの回廊の中を駆けめぐったが、こんな状況で答えなんか出せるはずもなかった。
まだ、後ろにはカイト本人がいるのである。落ち着けと言われても無理だ。
とにかく、ストーブをつけてお茶を入れなければ。
お湯を沸かして、それからそれから。
メイは、足がもつれそうになりながら、ストーブに近付こうとした。
なのに。
まさか。
抱きしめられてしまうなんて。
あとちょっとでストーブだというのに、彼女は身動き一つ出来なかった。
背中に強い圧迫感を感じる。胸にも。
気づいたら、彼の腕が自分の胸に回っていた。
腕時計が見えた。
あの、銀のアナログ時計だ。
回された手首に、それが光っていた。
カイトだ。
その腕を見れば分かる。
彼が、背中からメイを抱きしめているのだ。