冬うらら~猫と起爆スイッチ~
●
ああ。
メイは、もっと腕に力を込めた。
まだ、全然分からない。
これが本当のことかどうか。
「もっと…もっと…ぎゅっ…て」
しゃくりあげながら、その隙間から、必死に声を探した。
お互いのコートに窒息してしまうくらい、もっと側に引き寄せて、抱きしめて欲しかった。
そうでないと、絶対にこの事実を受け止められない。
ぐっと、彼は腕に力を込めた。
背中と胸の圧迫感が、それを教えてくれる。
でも、まだそれだけでは足りなかった。
どんなに腕に力を込めても、これ以上彼との距離は詰められないのだ。
それでもまだ、全然カイトという存在が足りなかった。
「もっと…!」
壊れてもいいから。
悲鳴のように声をあげた。
「…だ」
額に―― 吐息の感触がした。
前髪を唇でよけるようにして、苦しげな息がつかれる。
それが、押しつけられたのが分かった。
抱きしめていた彼の指が、背中から外れる。それだけで不安になるメイの両の頬を捕まえられた。
大きな手。
でも熱い。
それが、彼女の顔を上に向かせる。
瞼に柔らかい感触が押しつけられた。
目を閉じると、瞳の中にたまっていた涙が、溢れだした。
それを、彼の唇が追いかける。
頬を掠めた。
指が、濡れた頬を確かめるように何度も何度も動く。
メイの輪郭をたどるみたいに、ぎこちなく何度も。
最初に唇に触れたのは、指。
でも、すぐ違う熱い感触に変わった。
ああ。
メイは、もっと腕に力を込めた。
まだ、全然分からない。
これが本当のことかどうか。
「もっと…もっと…ぎゅっ…て」
しゃくりあげながら、その隙間から、必死に声を探した。
お互いのコートに窒息してしまうくらい、もっと側に引き寄せて、抱きしめて欲しかった。
そうでないと、絶対にこの事実を受け止められない。
ぐっと、彼は腕に力を込めた。
背中と胸の圧迫感が、それを教えてくれる。
でも、まだそれだけでは足りなかった。
どんなに腕に力を込めても、これ以上彼との距離は詰められないのだ。
それでもまだ、全然カイトという存在が足りなかった。
「もっと…!」
壊れてもいいから。
悲鳴のように声をあげた。
「…だ」
額に―― 吐息の感触がした。
前髪を唇でよけるようにして、苦しげな息がつかれる。
それが、押しつけられたのが分かった。
抱きしめていた彼の指が、背中から外れる。それだけで不安になるメイの両の頬を捕まえられた。
大きな手。
でも熱い。
それが、彼女の顔を上に向かせる。
瞼に柔らかい感触が押しつけられた。
目を閉じると、瞳の中にたまっていた涙が、溢れだした。
それを、彼の唇が追いかける。
頬を掠めた。
指が、濡れた頬を確かめるように何度も何度も動く。
メイの輪郭をたどるみたいに、ぎこちなく何度も。
最初に唇に触れたのは、指。
でも、すぐ違う熱い感触に変わった。