冬うらら~猫と起爆スイッチ~
□177
手を握られた。
メイに好きだと言われた。
抱きしめた。
メイに好きだと言った。
抱きしめた。
口づけた。
こめかみが、ガンガンしていた。
身体中を血が、逆流しているせいだ。
いまの事実を、自分が誰よりも信じていないせいである。
ただ、さっきの事実を並べては、本当かどうか確認せずにはいられずに、また口づける。
抱きしめる。
抱きしめる。
もっと。
どこで、間違ったのか。
彼女は、ずっと自分のことが好きだと言った。
カイトも彼女のことを、ずっと好きだった。
2人のずっとは、どこから重なっていたのだろうか。
あんな離れ方をしてしまった。
メイを傷つけて、もう二度と会う資格がないと思った。
なのに、彼女は自分からカイトの前に戻って来たのである。
しかも、ただ戻ってきただけではなかった。
好きだと。
そう言ってくれたのである。
どこで、ボタンをかけ違えたのか。
いや、違う。
知らなかったのだ。
カイトは、自分と知り合う以前の彼女を、知らなかったのである。
だから、一緒に暮らし始めた時のメイと比較のしようがなかった。
どんな素振りを見ても、元々そうなのだと思っていたのだ。
カイトに対して、そんな気持ちを抱いているなんて知らなかった。
知っていたら―― 気づいていたら、あんな事件など起こさずに済んだのに。
手を握られた。
メイに好きだと言われた。
抱きしめた。
メイに好きだと言った。
抱きしめた。
口づけた。
こめかみが、ガンガンしていた。
身体中を血が、逆流しているせいだ。
いまの事実を、自分が誰よりも信じていないせいである。
ただ、さっきの事実を並べては、本当かどうか確認せずにはいられずに、また口づける。
抱きしめる。
抱きしめる。
もっと。
どこで、間違ったのか。
彼女は、ずっと自分のことが好きだと言った。
カイトも彼女のことを、ずっと好きだった。
2人のずっとは、どこから重なっていたのだろうか。
あんな離れ方をしてしまった。
メイを傷つけて、もう二度と会う資格がないと思った。
なのに、彼女は自分からカイトの前に戻って来たのである。
しかも、ただ戻ってきただけではなかった。
好きだと。
そう言ってくれたのである。
どこで、ボタンをかけ違えたのか。
いや、違う。
知らなかったのだ。
カイトは、自分と知り合う以前の彼女を、知らなかったのである。
だから、一緒に暮らし始めた時のメイと比較のしようがなかった。
どんな素振りを見ても、元々そうなのだと思っていたのだ。
カイトに対して、そんな気持ちを抱いているなんて知らなかった。
知っていたら―― 気づいていたら、あんな事件など起こさずに済んだのに。