冬うらら~猫と起爆スイッチ~
●
だから――とりあえず、まず一番身近な未来から埋めていこうと思った。
顔をあげる。
涙腺はおさまってくれようだった。
「今日は、ゆっくりして行けます? もしそうなら、夕ご飯、腕を振るいますね」
食器を買って、夕食の買い物をして。
今日、彼の仕事がなければいいのだけれども。
メイは、そう願った。
しかし。
いきなり、カイトの表情が固く強張ったのだ。
え?
何か、自分が悪いことを言ってしまったのかと思った。
けれども、カイトの口はしゃべるためには開かず、物凄い勢いで朝食をたいらげだす。
呆然と見ている間に食べ終わり、茶碗の上に箸をバンと置くと立ち上がったのだ。
そのまま、ボタンがすっ飛んでしまっているシャツをばっと着込み、コートをひっつかむと――怒ったような気配のまま、彼はアパートを飛び出して行ってしまった。
え?
え? え? え???
何で?
メイは箸を持ったまま、取り残されてしまった。
だから――とりあえず、まず一番身近な未来から埋めていこうと思った。
顔をあげる。
涙腺はおさまってくれようだった。
「今日は、ゆっくりして行けます? もしそうなら、夕ご飯、腕を振るいますね」
食器を買って、夕食の買い物をして。
今日、彼の仕事がなければいいのだけれども。
メイは、そう願った。
しかし。
いきなり、カイトの表情が固く強張ったのだ。
え?
何か、自分が悪いことを言ってしまったのかと思った。
けれども、カイトの口はしゃべるためには開かず、物凄い勢いで朝食をたいらげだす。
呆然と見ている間に食べ終わり、茶碗の上に箸をバンと置くと立ち上がったのだ。
そのまま、ボタンがすっ飛んでしまっているシャツをばっと着込み、コートをひっつかむと――怒ったような気配のまま、彼はアパートを飛び出して行ってしまった。
え?
え? え? え???
何で?
メイは箸を持ったまま、取り残されてしまった。