冬うらら~猫と起爆スイッチ~

 そして。

 彼が、すごく必死な顔をしてくれていたのも。

 また――探そうとしてくれたのだ。部屋にいなかった自分を。

 よく見れば、服装が変わっていた。

 あの、ボタンを吹っ飛ばしたシャツではなかったのだ。

 きっと、一度家に帰ったのだろう。

「あ…その…洗濯してて…あの」

 メイは、うまく言葉が出てこないながらに、必死に自分がしていた作業を説明しようとした。

 そんなこと、必要ないというのに。

 カイトは、彼女の言葉なんて、やっぱり聞いてくれなかった。

 いきなり、むんずと手首を掴むや、そのまま部屋の方まで連れ戻されたのだ。

 そして、いきなり食事の時に座っていたちゃぶ台の前に座らされる。

 何事かと思って、驚いたまま彼を見ていると。


「書け!!!」


 バン!!!

 ちゃぶ台の上に、何かを叩きつけられた。

 え?

 え?

 こ。

 こ…。



 婚姻届ー!!!!!?????
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