冬うらら~猫と起爆スイッチ~

「ななな、何ですか…いきなり…」

 中にいたのは――しかし、守衛には見えなかった。

 元は穏やかなのだろう表情を、驚きで塗り固めている男がいたのだ。

 ひょろっとしていて、シャツ姿に黒い腕カバーなどをしていた。そして、手には書類の束。

 どう見ても、役所の職員がいいところだった。

「…よこせ」

 カイトは、唸った。

「は?」

 男は、意味の分からないような、間の抜けた声をあげた。


「婚姻届、よこせっつってんだ!!!!」


 そして、ようやくメイの元に戻ってくることが出来たのである。
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