冬うらら~猫と起爆スイッチ~
☆
ほーら、それみたことか。
以前、ソウマはカイトに言ったことがあった。
彼の短気な性格を考えれば、本当の恋に落ちたが最後、一秒でも離したくなくなって、すぐに籍を入れるに違いない、と。
その時は、邪険に扱われただけだった。
そのカイトが、今は証人の欄に名前を記入して欲しがっているのだ。
さぁて、どうしてやるか。
ソウマは、彼らを居間の方に招き入れながら、意地悪を考えていた。
あれだけ彼らも、ヤキモキさせられたのである。
特にハルコに至っては、物凄い心配をしていた。
その時のことを、いまのカイトは、すかーっと忘却の彼方に押しやっているようである。
貸しにしておいた、2、3発のパンチでは、まだ気がおさまりそうになかった。
「どうしたの…あら!」
台風が来たのは分かっていただろうが、一体何事なのかまだ把握していないハルコが現れた。
ソウマは軽くアイコンタクトを送ったが、しかし、こんな突拍子もない事件を、視線だけで伝えることは不可能だ。
ただ――彼女も、メイを見つけたようである。
表情が、ぱっと優しい色に変わった。
「元気そうね…」
「あ、はい…あの時は、ありがとうございました」
女性陣の挨拶を聞きながら、ソウマは居間に入った。
ソファを勧めるまでもなく、勝手に座るカイト。
からわかれる隙を見せないようにしている風に思えて、それがまた笑いを誘う。
メイには、席を目の動きで勧めた。
少し戸惑った後、彼女はカイトの隣にちょこんと座る。
「とっとと書け!」
やはり、からかわれるのがイヤなようだ。
カイトは、とにかく目的を達成しようとしていた。
ほーら、それみたことか。
以前、ソウマはカイトに言ったことがあった。
彼の短気な性格を考えれば、本当の恋に落ちたが最後、一秒でも離したくなくなって、すぐに籍を入れるに違いない、と。
その時は、邪険に扱われただけだった。
そのカイトが、今は証人の欄に名前を記入して欲しがっているのだ。
さぁて、どうしてやるか。
ソウマは、彼らを居間の方に招き入れながら、意地悪を考えていた。
あれだけ彼らも、ヤキモキさせられたのである。
特にハルコに至っては、物凄い心配をしていた。
その時のことを、いまのカイトは、すかーっと忘却の彼方に押しやっているようである。
貸しにしておいた、2、3発のパンチでは、まだ気がおさまりそうになかった。
「どうしたの…あら!」
台風が来たのは分かっていただろうが、一体何事なのかまだ把握していないハルコが現れた。
ソウマは軽くアイコンタクトを送ったが、しかし、こんな突拍子もない事件を、視線だけで伝えることは不可能だ。
ただ――彼女も、メイを見つけたようである。
表情が、ぱっと優しい色に変わった。
「元気そうね…」
「あ、はい…あの時は、ありがとうございました」
女性陣の挨拶を聞きながら、ソウマは居間に入った。
ソファを勧めるまでもなく、勝手に座るカイト。
からわかれる隙を見せないようにしている風に思えて、それがまた笑いを誘う。
メイには、席を目の動きで勧めた。
少し戸惑った後、彼女はカイトの隣にちょこんと座る。
「とっとと書け!」
やはり、からかわれるのがイヤなようだ。
カイトは、とにかく目的を達成しようとしていた。