冬うらら~猫と起爆スイッチ~
☆
メイは、よく気がつく女性だ。
身重の彼女を思ってか、手伝いに行こうとしてくれた。
カイトには、勿体ないくらいの相手である。
「茶なんかいらねー! それより先に、これを書け!」
しかし、短気のムシは、ハルコの好意と好奇心の芽を摘もうとした。
ソウマは、あえて口をはさまなかった。彼女が反撃するだろうと思っていたのだ。
「お茶を飲まないと…書いてあげないわ」
この発言には、思い切り笑ってしまった。
カイトの顔が、絶句、という表情になってしまったからだ。
痛いところを突かれてしまったのだろう。
カイトの性格は知っている。
そんなに沢山の人間と、懇意にしていないことも。
だから、からかわれることを覚悟で、この家に書類を書いてもらいに来たのである。
きっと、ほかに思い当たらなかったのだろう。
それがまた、ソウマの心をくすぐった。
おかげで、こんなに近くで、しかも早く、結果を見ることが出来たのだから。
「はっはっは、そうだな…どうせなら、昼メシでも食ってくか? 今日はオレがパスタをゆでるぞ」
そこまで長居はしないことは知っていた。
しかし、ついからかってしまいたくなるのだ。
ギロッッ。
怒り狂う一歩手前――そんなカイトに睨まれる。
もう完全に、あのつらい時の影はない。
ここにいる男は、一刻でもはやく、メイを自分のものにしたがっている、ただのエゴイストだった。
メイは、よく気がつく女性だ。
身重の彼女を思ってか、手伝いに行こうとしてくれた。
カイトには、勿体ないくらいの相手である。
「茶なんかいらねー! それより先に、これを書け!」
しかし、短気のムシは、ハルコの好意と好奇心の芽を摘もうとした。
ソウマは、あえて口をはさまなかった。彼女が反撃するだろうと思っていたのだ。
「お茶を飲まないと…書いてあげないわ」
この発言には、思い切り笑ってしまった。
カイトの顔が、絶句、という表情になってしまったからだ。
痛いところを突かれてしまったのだろう。
カイトの性格は知っている。
そんなに沢山の人間と、懇意にしていないことも。
だから、からかわれることを覚悟で、この家に書類を書いてもらいに来たのである。
きっと、ほかに思い当たらなかったのだろう。
それがまた、ソウマの心をくすぐった。
おかげで、こんなに近くで、しかも早く、結果を見ることが出来たのだから。
「はっはっは、そうだな…どうせなら、昼メシでも食ってくか? 今日はオレがパスタをゆでるぞ」
そこまで長居はしないことは知っていた。
しかし、ついからかってしまいたくなるのだ。
ギロッッ。
怒り狂う一歩手前――そんなカイトに睨まれる。
もう完全に、あのつらい時の影はない。
ここにいる男は、一刻でもはやく、メイを自分のものにしたがっている、ただのエゴイストだった。