冬うらら~猫と起爆スイッチ~

「は…い…」

 この婚姻を、祝福してくれる人がいる。

 実感はまだわかないが、本当に願って望んでくれている人がいるのだ。

 本来、それはメイの両親がしてくれるはずだったことである。

 しかし、不可能なことでもあった。

 代わりに、姉のようなハルコがいてくれる。

 その事実が嬉しくて――胸がつまってしまった。


「るせぇっつってんだ!!」


 しかし、後方はとんでもない騒ぎになりつつある。

 じんわりとひたっているヒマはないようだ。


 早くお茶を入れて、男たちの戦いを止めに入らなければならなかった。
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