冬うらら~猫と起爆スイッチ~
01/10 Mon.-3
●190
夜が来る。
メイは、戸惑っていた。
夕食が終わって後かたづけをしていても、カイトはそばから離れてくれなかった。
今日は本当に一日、ずっとそうだったのだ。
この後片づけだって、最初は「すんな!」と言われたのである。
久しぶりにその言葉を聞いた。
どうしても片づけをしないと気持ちの悪いメイは、何とかお願いして片づけさせてもらったのである。
その間、ずっと監視されていた。
後かたづけが終わって、濡れた手をタオルで拭きながら振り返ると、すぐにカイトに手を捕まれた。
もう、これ以上の仕事をさせないという確固たる意思の背中が、彼女を二階に引っ張っていく。
あ。
どうしよう。
メイは、物凄く心配になった。
今夜、自分はどこで過ごせばいいのか分かっていなかったのである。
いままでなら、彼の部屋の前を通り抜けて、奥の方にある客間で夜を過ごしていたのだ。
しかし――彼らは、今日婚姻届を出してきたのである。
ということは。
夫婦なのだ。
カァッ。
恥ずかしさに体温が上がる。
夫婦ということは、同じ部屋で寝泊まりするということになるのではないだろうか。
いや、カイトは部屋で仕事をするかもしれない。
その時に、自分の存在で気が散るのではないだろうか。
いろんな憶測が、頭の中で飛び交った。
ついに、カイトの部屋の前に到着する。
彼が、ドアを開けようとした時。
メイはビクリと震えてしまった。
彼は動きを止める。
そして、ゆっくりと振り返った。
「あ、あの…私…」
結婚した、と言っても、したてホヤホヤだ。
しかも、昨日の段階では、こんなことになるなんて思ってもいなかったのである。
そんな突然に夫婦になったからと言って、当たり前みたいな顔をして、同じ部屋に入っていけなかった。
夜が来る。
メイは、戸惑っていた。
夕食が終わって後かたづけをしていても、カイトはそばから離れてくれなかった。
今日は本当に一日、ずっとそうだったのだ。
この後片づけだって、最初は「すんな!」と言われたのである。
久しぶりにその言葉を聞いた。
どうしても片づけをしないと気持ちの悪いメイは、何とかお願いして片づけさせてもらったのである。
その間、ずっと監視されていた。
後かたづけが終わって、濡れた手をタオルで拭きながら振り返ると、すぐにカイトに手を捕まれた。
もう、これ以上の仕事をさせないという確固たる意思の背中が、彼女を二階に引っ張っていく。
あ。
どうしよう。
メイは、物凄く心配になった。
今夜、自分はどこで過ごせばいいのか分かっていなかったのである。
いままでなら、彼の部屋の前を通り抜けて、奥の方にある客間で夜を過ごしていたのだ。
しかし――彼らは、今日婚姻届を出してきたのである。
ということは。
夫婦なのだ。
カァッ。
恥ずかしさに体温が上がる。
夫婦ということは、同じ部屋で寝泊まりするということになるのではないだろうか。
いや、カイトは部屋で仕事をするかもしれない。
その時に、自分の存在で気が散るのではないだろうか。
いろんな憶測が、頭の中で飛び交った。
ついに、カイトの部屋の前に到着する。
彼が、ドアを開けようとした時。
メイはビクリと震えてしまった。
彼は動きを止める。
そして、ゆっくりと振り返った。
「あ、あの…私…」
結婚した、と言っても、したてホヤホヤだ。
しかも、昨日の段階では、こんなことになるなんて思ってもいなかったのである。
そんな突然に夫婦になったからと言って、当たり前みたいな顔をして、同じ部屋に入っていけなかった。