冬うらら~猫と起爆スイッチ~
□
「あ、早かったですね…」
座っててください。
計算よりも、カイトの登場が早かったのに驚いた顔をする。
途端、あわただしく茶碗やお皿を動かし始めた。
彼は、乱れた呼吸を繰り返す。
大慌てで支度をして、とにかくここに駆け下りてきたのである。
上着とネクタイをひっ掴んだ状態のままだ。
とにかく、自分の欲望に忠実に、メイに近づこうとした。
彼女を抱きしめようと思ったのだ。
なのに。
トレイに朝食のお皿などを乗せて、彼女が戻って来たのである。
すごく、忙しそうな動きで。
「もうこれ置くだけですから、座ってください」
にこにこ。
笑顔で、カイトを急かしたてるようだ。
言葉が早口になっているせいか。
「昨日買ったみりん干しもありますよ…おいしいですよ」
全然、彼の心を気づいていない。
いまのカイトには、みりん干しなんてどうでもいいことなのだ。
そんなものを買ったことすら、覚えてもいなかった。
かちゃかちゃと、トレイをテーブルにおろしたメイは、作業を続けている。
その身体を、抱きしめようとした。
座って、朝食を食べさせられてしまう前に。
トレイの上のものが、全てテーブルに並べ終わられた。
腕を伸ばす。
しかし。
「いけない!」
メイの身体が、慌てて反転した。
パタパタと、調理場の方に走り去ってしまう。
「あ、早かったですね…」
座っててください。
計算よりも、カイトの登場が早かったのに驚いた顔をする。
途端、あわただしく茶碗やお皿を動かし始めた。
彼は、乱れた呼吸を繰り返す。
大慌てで支度をして、とにかくここに駆け下りてきたのである。
上着とネクタイをひっ掴んだ状態のままだ。
とにかく、自分の欲望に忠実に、メイに近づこうとした。
彼女を抱きしめようと思ったのだ。
なのに。
トレイに朝食のお皿などを乗せて、彼女が戻って来たのである。
すごく、忙しそうな動きで。
「もうこれ置くだけですから、座ってください」
にこにこ。
笑顔で、カイトを急かしたてるようだ。
言葉が早口になっているせいか。
「昨日買ったみりん干しもありますよ…おいしいですよ」
全然、彼の心を気づいていない。
いまのカイトには、みりん干しなんてどうでもいいことなのだ。
そんなものを買ったことすら、覚えてもいなかった。
かちゃかちゃと、トレイをテーブルにおろしたメイは、作業を続けている。
その身体を、抱きしめようとした。
座って、朝食を食べさせられてしまう前に。
トレイの上のものが、全てテーブルに並べ終わられた。
腕を伸ばす。
しかし。
「いけない!」
メイの身体が、慌てて反転した。
パタパタと、調理場の方に走り去ってしまう。