不完全な完全犯罪・霊感探偵瑞穂誕生
「キューピット様を遣った事は解ってる」

俺の言葉を聞いて、鏡の中で遊んでいた数人の女生徒が俯いた。


「殺ったのはお前達か!?」
女生徒の仕草を見て気付いた男子生徒が言い出した。


「なら俺はカンケーねえよな」


一人の生徒が立ち上がった。


「じゃあ俺は帰る。勝手に犯人探しでもしてな」
そう言いながら男子生徒が屋上のドアを開けた。


「そんじゃ俺達も帰るわ」



「それじゃ私達も」
みんなそう言って帰って行く。


後に残ったのは、俯いた女生徒と先生だけだった。

でもその中にあの二人は居なかった。


みずほの死を悲しむわけでもなく……

みんな帰ってしまった屋上。


俺はただ自分の力不足を痛感した。
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