不完全な完全犯罪・霊感探偵瑞穂誕生
みずほの遺体が両親の手によって運ばれて行く。
俺はその後を追った。


警察は当然のように解剖する事を勧める。

でも全身打撲の身体を、もうこれ以上傷付けなくはないそうだ。


両親の気持ちは痛い程解る。

それでも俺は警察に任せた方が良いと思った。


おれだってイヤだよ。
みずほの体を切り刻むなんて。

でもこのままにしてはいけないと思ったんだ。




だから俺は記憶をたどり、自転車を乗り捨てた場所へ急いだ。


みずほの死が自殺だと信じられずに……そのまま葬り去る事など出来る筈がなかったのだ。


――ごめんみずほ!!
俺に出来る事は、こんな惨い事しかないんだ。
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