不完全な完全犯罪・霊感探偵瑞穂誕生
「ったく先生かよー」

俺は毒づいた。


でも先生はキョトンとしていた。


「ん!? この携帯誰んだ……ったく誰だ? こんな悪戯して」


――えっ!


(――俺は……
その言葉にマジで驚いていた)


先生の携帯が鳴った時、実は俺はホッとしていた。

先生が俺を気遣ってメールを送ってくれたのかと思ったからだった。


だからタメ口で……
だから軽い状態っぽく言えたのだった。


――あ、そうだ。
俺は思い出していた。


(――確か……
先生の携帯は、俺と同じように胸ポケットにあったんだ)


(――確か今……
先生は上着のポケットから取り出していた)
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