イケメン悪魔に恋をした
「小春…」
『…!』
名前を呼ばれたと同時に、手を握られた。
ギューッと強く握られて痛いのに、嫌じゃなくて…。
むしろ嬉しさを感じた。
「俺、これからもずっと小春のそばにいる自信あるよ?」
『うん…。いてくれなきゃ困るよ…』
「小春…好き。……大好き」
『私も翔の事大好…っ…』
翔は私の体を自分の方に引き寄せた。
それから私の顎を軽く持ち上げ、そっと触れるだけのキスをくれた。
真っ暗な部屋の中で、何も見えないのに私達はただただお互いを求めた。
お互いの全てを知るかのように………。
見えない相手の温度だけを感じて。
「さて、ケーキ食うか」
突然お互いの口が離れてしまった事に名残惜しさを持ちつつ
『そーだね!』
そんなそぶりは一切見せなかった。