イケメン悪魔に恋をした
―――翔だけに呼んでほしいから。
ただそれだけ。
…もちろん、晴人や晃は幼馴染だから無理だけど。
でも!
“小春”って呼んでくれるのは翔だけで十分だし。
あの優しい声で、翔に名前を呼ばれることに満足してる。
だから…
『なんかごめんね?』
悠には呼んでほしくないとゆうか…。
あまり好まない。
「小春ちゃん…これもダメ?」
『それなら…』
さっきよりはマシ。
「じゃあ、小春ちゃんて呼ぶよ」
『うん…』
これは、すべて悠の策略だとは知らずに…
いとも簡単に悠を受け入れる自分がこれから受ける大変な事態を…
私は気づこうともしなかった。
今、漂っている
…危険な香りを感じずに。