イケメン悪魔に恋をした


―――翔だけに呼んでほしいから。

ただそれだけ。
…もちろん、晴人や晃は幼馴染だから無理だけど。

でも!
“小春”って呼んでくれるのは翔だけで十分だし。

あの優しい声で、翔に名前を呼ばれることに満足してる。


だから…
『なんかごめんね?』

悠には呼んでほしくないとゆうか…。
あまり好まない。

「小春ちゃん…これもダメ?」
『それなら…』
さっきよりはマシ。

「じゃあ、小春ちゃんて呼ぶよ」
『うん…』

これは、すべて悠の策略だとは知らずに…

いとも簡単に悠を受け入れる自分がこれから受ける大変な事態を…


私は気づこうともしなかった。

今、漂っている
…危険な香りを感じずに。
< 73 / 123 >

この作品をシェア

pagetop