イケメン悪魔に恋をした
「………おい!」
遠くからかすかに聞こえる声…。
神様って意地悪だ…。
助けに来てほしい時、誰も来なかったのに。
来てほしくない時に人を連れてくるなんて。
しかも、こっちに近づいてくる声の主は…
絶対に翔だよ。
間違うわけがない、私の大好きな声。
最近、ずっと聞けなかった翔の声。
「…小春?」
その声と同時に、目の前のドアが開いた。
『翔……』
やっと出てきた涙。
「大丈夫か!?」
翔………。
走ってここに来てくれたんだね…?
『ありがとう…』
でもね?
“悠に手、出された”
なんて言えるわけがないの…。