それでも朝はやって来る
「……麦茶、飲まねぇの?」

「…あがっ………」


あまりにビックリして、朝子は変な声を出してしまった。


もう、穴があったら入りたいよぉ…

恥ずかし…


振り向いてはみたものの、頭から湯気が出るくらい真っ赤になって、朝子はなかなか悠里を見れずにいた。


俯いているので、黒いタオルの端にあるブランドのロゴであろう刺繍と程好く整った悠里の腹筋しか目に入らず…

更に頬を紅く染めるしかなかった。


「……………」

「……………」


ははははは…………話が続かない…


ますます悠里の顔を見れずに下を向いていると…


「……自信がないわけじゃないけど、さすがにそこばっか見られると、恥ずかしいかも」


朝子は質問の意図が分からず上を向くと、悠里は頭を掻きながらそっぽを向いていた。


「…………え?」


えっ??

……………………ッ!!


「ちちちちち……違うよ!!そんなとこ見てないから!!」


やっと悠里の示唆していることがわかって、首をブンブンと横に振った。


「見てない、見てない!悠里のち…」


否定したくてそのものの名前まで言おうとしてしまったらしく、全部言う前に悠里に口を塞がれた。


「お前~そんな口に出して言うなよ。ちょっとからかっただけなのに」


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