それでも朝はやって来る
あっという間に朝子を自分の下に組みしくと、手慣れた手つきでパジャマのボタンをすべてはずしてしまった。


急に胸元が悠里の前に露にされて、心許なくなって隠そうと両手を胸の前でクロスさせた。


「…………隠すなよ」


月明かりだけでしか姿が見えなかった。

悠里の眼光が窓から溢れる月の明かりで、ギラリと光っていた。




悠里の言葉には逆らえず、ゆっくりと両手を下にさげた。



顔の輪郭に沿って指を這わせた後、先程まで悠里の傷を舐めていた朝子の唇を撫でた。



朝子は恥ずかしさで、パジャマのボタンを裾を握っている両手が震えていた。


悠里は、緊張でガチガチに硬くなっている朝子がこの上なく可愛く思えた。

自分の行動一つ一つにいちいち反応して、顔を真っ赤に染めて恥じらう姿が無性に意地らしかった。


「綺麗だ……朝子」


言うつもりがなかったのに、勝手に口から出てきた歯が浮くようなセリフ…



朝子はこれ以上ないと言うぐらい真っ赤なって、顔を反らせそっぽを向いた。



両胸の膨らみを直に触ると、面白いほどに体が硬くなった。


「んっ…」


唇を噛み締めて、声を漏らすまいと必死に抵抗していた。


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