それでも朝はやって来る
目の前で、モグモグとオムライスを食べている姿は、さながら小動物にしか見えない…


分厚い眼鏡が牛乳瓶の底みたいで、制服もサイズが合ってないのか、ブカブカで袖から指が少し出てる程度だ。




……………ん~




こんなにS心をくすぐる存在なのに、西園寺が苛めてないのが不思議なくらいだ。

朝子の中にめきめきといじめッ子心が沸いてきた。



どんな顔してるのかなぁ…?



と思って、眼鏡をさっと取ってみた。



あら、意外にかわいい顔じゃない。



眼鏡を取った顔は、垂れ目で可愛らしい黒目がちな目が顔の大部分の面積を占めていた。

視力が極端に悪いのか、急に視界が悪くなってビックリしたのか、机に落としたスプーンすら見つけられないでいた。



「アハハハハッ!!」



可愛らしすぎて、目尻から涙が溢れてくるくらい笑った。



「桜小路さん、ムチャムチャ可愛いね~」



はい、っとスプーンを渡してあげた。




.
< 114 / 199 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop