それでも朝はやって来る
「まぁ、よい。目的は果たした…」
神剣は傍にあったカーテンを少しばかり開くと、真っ白な光が眩しく差し込んだ。
「夜は明けたな」
眩しそうに目を細め、勢いよく窓を開けた。
ビュゥと窓から風が入り込む。
その瞳は、前の力強い黒に戻っていた。
神剣が朝子に笑いかける。
「腹の印は保険だ。それが消える頃また会うであろう」
その言葉を聞き、朝子はゾッとした。
二度と会いたくないし、触れてほしくもない。
その時、バタンと入り口のドアが開いたかと思うと、悠里と真楯が勢いよく飛び出してきた。
「朝子!!」
ソファの上の乱れた服装の朝子を見るなり、悠里は必死の形相で彼女を抱き締めた。
「橘…貴様!!
朝子に何をした!?」
怒りで歯止めが聞かないのか、朝子を抱く腕にグッと力が込められ痛いぐらいだった。
眼光はみるみるうちに真っ赤に染まり、全身の毛が逆立っていた。
「八重樫の…久しぶりだな。随分と貧相な出で立ちになったなぁ」
「……いったい誰の性でこうなったと思ってんだよ!!」
「貴様の自業自得であろう。違うか?」
何も言えず、悠里は奥歯を噛み締めるしかなかった。
「 残念だな、満月の夜は過ぎてしまったな。
だが、まだお前は死なない。大人しく俺の条件を飲め、そうすれば直ぐ呪いを解いてやろう」
.
神剣は傍にあったカーテンを少しばかり開くと、真っ白な光が眩しく差し込んだ。
「夜は明けたな」
眩しそうに目を細め、勢いよく窓を開けた。
ビュゥと窓から風が入り込む。
その瞳は、前の力強い黒に戻っていた。
神剣が朝子に笑いかける。
「腹の印は保険だ。それが消える頃また会うであろう」
その言葉を聞き、朝子はゾッとした。
二度と会いたくないし、触れてほしくもない。
その時、バタンと入り口のドアが開いたかと思うと、悠里と真楯が勢いよく飛び出してきた。
「朝子!!」
ソファの上の乱れた服装の朝子を見るなり、悠里は必死の形相で彼女を抱き締めた。
「橘…貴様!!
朝子に何をした!?」
怒りで歯止めが聞かないのか、朝子を抱く腕にグッと力が込められ痛いぐらいだった。
眼光はみるみるうちに真っ赤に染まり、全身の毛が逆立っていた。
「八重樫の…久しぶりだな。随分と貧相な出で立ちになったなぁ」
「……いったい誰の性でこうなったと思ってんだよ!!」
「貴様の自業自得であろう。違うか?」
何も言えず、悠里は奥歯を噛み締めるしかなかった。
「 残念だな、満月の夜は過ぎてしまったな。
だが、まだお前は死なない。大人しく俺の条件を飲め、そうすれば直ぐ呪いを解いてやろう」
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