それでも朝はやって来る
顔にかかった髪の毛が妙にくすぐったくて…
目も開けずに払い除けようと、右手を顔の近くまで持っていくと、親切にも誰か優しい手が髪を払ってくれた。
「んっ…」
その手はそのまま顔を撫で、唇へと移動した。
お腹が空いたので少し舐めてみると、飴玉のように甘い味がした。
甘い……
うっとりと口を開けて、指を奥へと促す。
もっと…と、筋ばった指を唇で挟み舌で転がしてみる。
暖かい舌ですっぽりと包み、甘い味を楽しんだ。
「ん…美味し…」
と、突然、デコピンされた。
「全部食うなよー
ったく…お前、どんだけ腹減ってんだよ」
うっすらと目を開けると、目の前には悠里の顔があった。
「さっさと着替えろ」
悠里はベットから立ち上がって、クローゼットを開けた。
「お袋はいないが、親父はいるからな。ちっとまともな服着とかねーとな」
テキパキとクローゼットから、服や小物を出していく。
「……」
藤咲先生のなんて着たくない…
ぶうたれた顔で悠里を見ていると
「なんだ。お前好みのダッサイ服なんな置いてねーよ。騙されたと思って着てみろよ」
「…………藤咲先生のなんて着たくない」
「 は?」
.
目も開けずに払い除けようと、右手を顔の近くまで持っていくと、親切にも誰か優しい手が髪を払ってくれた。
「んっ…」
その手はそのまま顔を撫で、唇へと移動した。
お腹が空いたので少し舐めてみると、飴玉のように甘い味がした。
甘い……
うっとりと口を開けて、指を奥へと促す。
もっと…と、筋ばった指を唇で挟み舌で転がしてみる。
暖かい舌ですっぽりと包み、甘い味を楽しんだ。
「ん…美味し…」
と、突然、デコピンされた。
「全部食うなよー
ったく…お前、どんだけ腹減ってんだよ」
うっすらと目を開けると、目の前には悠里の顔があった。
「さっさと着替えろ」
悠里はベットから立ち上がって、クローゼットを開けた。
「お袋はいないが、親父はいるからな。ちっとまともな服着とかねーとな」
テキパキとクローゼットから、服や小物を出していく。
「……」
藤咲先生のなんて着たくない…
ぶうたれた顔で悠里を見ていると
「なんだ。お前好みのダッサイ服なんな置いてねーよ。騙されたと思って着てみろよ」
「…………藤咲先生のなんて着たくない」
「 は?」
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