それでも朝はやって来る
「かえでの?何、アホなこといってんの」


腕を引っ張られ鏡の前に連れてこられた。

選んでくれた服の一つを取って、朝子にあてがう。


キレイなシャンパンゴールドのタイトなドレスだ。

胸元はゆったりとしたドレープが光の加減でキラキラと煌めいた。

対象に背中は大きく明いており、女らしさを象徴していた。


「他人のものなどひとつもない。全部、お前のために用意したものだ」


耳元で優しく囁かれ、ビクリと体が震えた。


「白すぎないお前の肌には、この色が
よく似合うはずだ」


鏡の中の悠里がゆったりと笑った。





悠里はその場で着替えろと言わんばかりに、ベッドに腰かけた。

じっと漆黒の瞳で見詰める。



ドレスをつかんで、バスルームに駆け込んだ。


じっと見られながら、着替えるなんて冗談じゃない!



ってか、こんなドレス着たことない…

どうやって着るんだろう…



迷ったあげく、下着だけ着けて上から被ってみた。

背中は大きく明いているので、ピンクのブラが見えてしまっていた。

体にピッタリと添っているため、キレイなドレスのヒップラインに不自然な線が浮き出ていた。



なななな…なんか、変。




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