それでも朝はやって来る
「文句があるなら、今すぐ親父の借金2856万円耳揃えて返してもらおうか?」


胸ぐらをつかまれて、グッと悠里の顔が近づく。


「お前は親父に売られたんだよ。黙って俺の言うことを聞けばいいんだよ。わかったか?」



悔しかった。

彼の言うことは正しくて、何も言えなかった。

そう…あたしは父さんに売られたんだ。



悠里は荒々しくキスをして、朝子を突き放した。


「悠里様…、そんな言い方されては…」

「うるさい!!お前は黙ってろ!!」






何であたしばっかり…


初めてのキスは好きな人とドキドキしながらするんだろうなって…


照れながら、二人で見つめ合ったりしたいな…なんて…

幸せ一杯で天にも上るような気持ちで、暖かくなれるんだろうなって思ってたのに…



「この呪いを解くまでは、必要なときにお前の体液を頂くからな」


悠里の言葉は心に深く突き刺さった。




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