それでも朝はやって来る
「もう、夜も遅いですから寝ましょう」


真楯に促されて、朝子はベットへと移動した。


ボスっとたくさん置かれた枕に頭を沈める。

真楯のベットもキングサイズであろうか、朝子の部屋のものとは比べ物にならないくらい大きかった。


スプリングは硬すぎず柔らかすぎず、朝子の体をゆったりと包み込んだ。


掛け布団を朝子の首もとまで引き上げると、真楯は名残惜しそうに朝子を眺めた。




洗い立てのシーツだが、微かに真楯のタバコの香りがした。


「おやすみなさい」


と真楯が電気を消した。







暫く、布団の中でくるまっていたが、なかなか寝付けなかった。


色々なことが有りすぎて、心底心も体も疲れた。


ヘトヘトになってはいたが、一向に眠くならなかった。


月は見えなくなり、窓は閉まっているのに寒かった。



「………ックシュ!」



ソファから、くしゃみが聞こえた。


.
< 172 / 199 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop