それでも朝はやって来る
目を凝らすと、真楯はコートにくるまってソファに横になっていた。



「やだ!

うそー、先生。風邪引いちゃいますよ!」


寒いのを我慢して、布団から朝子は飛び出した。

近くに駆け寄ると、真楯の手を握り締めた。


「ほら、先生。こんなに冷たくなってるじゃん!

あたし、自分の部屋に戻りますよ。ちゃんと布団で寝てください!」


握り締めた手を握り返された。


「ダメです。こんな寒い中、部屋に帰るなんて…」


「じゃ、ベットで一緒に寝てください!大きいから、寝れますから!」


少し困った風に真楯に笑われて、朝子は自分がとても大胆な事を言ってしまった事に気がついた。


「…違っ、そそそそ…そういう意味ではなくて…」


カァーッと顔が真っ赤になっていくのが分かった。


「あの…えっと…、風邪…心配だし…」


「じゃ、折角だから一緒に寝ましょうか」


クスリと笑われ、何だか悔しくなった。

薄暗い中、ベットへ二人で戻り、朝子は先に冷たくなったベットへ入った。

自分で言ったけど、何だか恥ずかしくてドキドキした。





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