それでも朝はやって来る
小降りだった雨は勢いを増した。



ふと、朝子の回りだけ雨が止んだ。


「濡れるぞ」


声がする方に振り向くと、悠里が立っていた。

朝子の回りだけ雨が止んだのは、悠里が傘をさしてくれたからだ。



傘はいらないと、首を降った。

涙を見られたくなくて。

雨と一緒に流してしまいたかった。



「風邪引くぞ」


強引に腕を捕まれて、校舎に連れていかれそうになった。


「いやっ!離してよ!!」


ずるずると引きずられるように、渡り廊下まで連れていかれた。


「なにやってんだよ」

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