それでも朝はやって来る
「あんまり心配させんなよ」


タオルで悠里の顔は見えなかった。

声は優しすぎて、いつもの悠里からは想像できなかった。

どんな顔をしているのか気になって、タオルをどけようとしたら、唇を塞がれて優しくキスされた。

悠里の唇が首もとにゆっくりと移動し、鎖骨を撫でていった。


ピッタリと張り付いたブラウスに手がかけられ、ボタンをはずしていく。


冷たく濡れた肌に悠里の温かい口づけが広がっていった。


「……あのっ…、ちょ…」

「…んだよ」


そのままの体制で、悠里が答える。


「なな…何するのかなぁ?…なんて…」


あからさまにムッとした顔をして、朝子の上から降りた。


「何って…

ナニ意外に何があるってんだよ」


くいっと顎をつかまれて、悠里の方を向かされた。


「もしかして初めてだから、シチュエーションにこだわりたいのか?女っていうのはこれだから面倒くさいな」

「何のこと??」


悠里が舌打ちしながら、朝子の首もとに顔を埋める。


「ちょっ…悠里…」


恥ずかしくなって、体を離そうとすると首に微かな痛みを感じた。


「何々!?」


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