それでも朝はやって来る
「お前の初めては俺がもらうってことだよ。覚悟しとけよ、次回は最後までするからな」


はっ?

…………エッ!?






「エ、エエーーーッ!!!!」



勢い余って、体育マットの上から引っくり返ってしまった。

首根っこを捕まれて、マットの上にポンと下ろされた。


「そういう契約だっただろ、最初から」


悠里は大きな溜め息をついた。


そんな契約してないよー!!


「ま、無理矢理するんじゃ意味がないからな…今日のところはやめといてやるさ。ま、せいぜい心の準備でもするんだな」


タオルをかけられ頭をゴシゴシと乱暴に拭かれた。


「風邪、ひくなよ。それともう少しその気にさせるような下着着ろよな…そんなんじゃな…フッ」


パッと見下ろすと、薄いグレイの下着が雨に濡れて白いシャツから透けていた。


「よよよ…余計なお世話よッ!!!!」


頭にかけられたタオルを投げつけたが、それより早く悠里は体育倉庫を出ていってしまった。


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